ch_pingpong
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ch_pingpong [2018/01/04 00:27] – kanemune | ch_pingpong [2018/02/09 11:04] (現在) – klab | ||
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+ | # ピンポンゲーム | ||
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+ | このActivityでは、ボールをラケットで打ち返すピンポンゲームを作ってみる。 | ||
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+ | ## 作成するゲーム | ||
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+ | 画面には四角い枠が描かれており、その中にボールの役割をするタートルと、長方形のラケットがある。ボールはラケットや壁にぶつかると跳ね返る。ラケットは左側の2個のボタンで上下に操作する。 | ||
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+ | ボールを制限時間の間、ラケットで打ち返し続けられたらクリアとなる。一回でもラケットの後ろの壁にボールがぶつかると、ゲームオーバーとなる。 | ||
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+ | ## 壁を作る(ステップ1) | ||
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+ | 最初に、ゲームに登場するオブジェクトを画面に置くことにする。このゲームでは、5個の長方形が登場する。上下と右にある長方形は、ボールを跳ね返す壁である。左には2つの長方形が存在する。小さいほうはパドルである。ゲームをする人は、このパドルを上下に動かしてボールを打ち返す。大きいほうは、パドルでボールを打ち返せなかったことを知るための壁である。ボールがこの壁にぶつかると、ゲームオーバーになる。 | ||
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+ | 次のプログラムでは、5個の長方形を作成している。プログラムを簡単にするために、**線の太さ**で太さ20の線を描くことで長方形とした。続いて、コの字の形に線を描き、「壁」という名前の図形を作っている。続いて上を向いた後、左壁とパドルを作っている。 | ||
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+ | このプログラムのように、座標を指定して図形やボタンを画面に置く場合には、終了ボタンの隣にある**方眼紙**をチェックして、位置を確認しながらプログラムを作ると便利である。 | ||
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+ | // 壁を作る(ステップ1) | ||
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+ | ## パドルを動かす(ステップ2) | ||
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+ | 画面にボタンを表示して、パドルを上下に動かしてみよう。次のプログラムでは、画面の左側に「上ボタン」と「下ボタン」という名前の2つのボタンを表示して、それぞれが押されたときにパドルを上下に50ずつ移動させている。今回はボタンの2個目のパラメータに**UP**と**DOWN**を指定することで、上下の矢印キーでも操作できるようにした。 | ||
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+ | // パドルを動かす(ステップ2) | ||
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+ | ## ボールを動かす(ステップ3) | ||
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+ | 「かめた」 には、壁やパドルを描いた後で、ボールの役割をしてもらうことにする。次のプログラムでは、かめたが移動したときに線を引かないように、**ペンなし**を実行している。ボールは、最初は右の壁に向かって動くようにした。タートルの初期位置は、**乱数**を使い、少しずつ異なる位置から動き始めるようにした。横の位置(x座標)は「乱数(200)」で1から200の値に、縦の位置(y座標)は「乱数(300)- 150」で-149から150の値になる。タートルの初期角度は45度で固定とした。 | ||
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+ | タートルが壁やパドルに衝突したときは、跳ね返る動作をすることが望ましい。そこで、かめたの**衝突**には、タートルオブジェクトの**跳ね返る**を設定した。タートルのぶつかった向きに合わせて、自然な角度で跳ね返ることができる。 | ||
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+ | 最後にタイマーを生成し、「かめた!20 歩く」を0.1秒間隔で60秒間繰り返し実行するようにした。実行すると、かめたが壁で囲まれた空間を跳ね返りながら動き回る。 | ||
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+ | // ボールを動かす(ステップ3) | ||
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+ | ## ゲームの勝敗を判定する(ステップ4) | ||
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+ | このゲームでは、パドルでボールを打ち返せずに1回でも左壁にボールが衝突したら負け(ゲームオーバー)とする。そして、タイマーでボールが動いている時間内にボールが左壁に衝突しなければ勝ち(ゲームクリア)である。 | ||
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+ | 次のプログラムでは、勝敗を判定するために、「ゲームクリア」という変数を導入した。この変数には**はい**または**いいえ**という真偽値を代入して使う。初期値は「はい」であるが、ボールが左壁に衝突したときは「いいえ」 を代入する。このとき、「ゲームクリア」をルートのプロパティとして扱うために、前に「:」を付けている。そして、タイマーの実行を中断している。 | ||
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+ | タイマーが終了した後の処理は「最後に実行」で行う。タイマーがどのように終了したのかは、「ゲームクリア」の値で判定している。値が真(はい)の場合は、無事に60秒間経って終了したので、青い字で「ゲームクリア」を表示している。値が偽(いいえ)の場合は、左壁に衝突して中断したので、赤い字で「ゲームオーバー」を表示するようにした。 | ||
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+ | // ゲームの勝敗を判定する(ステップ4) | ||
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+ | 以上でピンポンゲームは完成である。実行すると、左壁に衝突したときは「ゲームオーバー!」が表示される。時間内にすべてのボールをパドルで打ち返せたときは、「ゲームクリア!」が表示される。 | ||
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+ | 最後にステップ1からステップ4までの全体のプログラムを掲載しておく。 | ||
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+ | // 壁を作る(ステップ1) | ||
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+ | // パドルを動かす(ステップ2) | ||
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+ | // ボールを動かす(ステップ3) | ||
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+ | // ゲームの勝敗を判定する(ステップ4) | ||
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+ | 今後の改良としては、難易度を選べるようにして、実行時間、ボールの速さ、パドルの大きさなどを変えられるようにしてもよいかもしれない。また、パドルで打ち返した回数をカウントし、得点として表示することも考えられる。 | ||