プログラミング言語「ドリトル」

大阪電気通信大学 兼宗研究室

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HTMLオブジェクト

HTMLオブジェクトは、HTMLのタグを直接ドリトルプログラム内に記述し、Webページの要素としてそのまま扱うことができるオブジェクトである。「数値」や「文字列」と同様に扱え、動的な画面更新や双方向コンテンツの開発が容易になる。

HTMLオブジェクトは、角括弧(<>)で囲まれたタグを直接記述することで生成する。タグは開始タグ(<>)と終了タグ(</>)をセットで使用する。次のプログラムを実行すると、画面に「テキスト」という文字が表示される。

 段落=<span>テキスト</span>。

生成されたオブジェクトは「root:dom:タグ名」の子オブジェクトとなり、プログラム中のタグの部分は実行時には「root:dom:タグ名!“文字列”create」のように変換されて実行される。

HTMLオブジェクトはメソッドやプロパティを持ち、タートルと同様に操作できる。既存のHTMLオブジェクトから新しいオブジェクトを作ることもできる。

 テスト=<span>テキスト</span>。
 テスト!"red" backgroundColor。
 テスト2=テスト!作る。

HTMLオブジェクトに属性、プロパティ、CSSを設定する方法は2種類ある。

  1. タグに直接記述する方法
 要素=<span id="hoge" style="color: blue;"></span>。
  1. メソッド呼び出しで設定する方法
 要素=<span></span>。
 要素!"hoge" id。
 要素!"blue" color。

設定した属性やプロパティを参照するには、名前の後ろに「?」を付ける。

 要素=<span id="hoge"></span>。
 値=要素!id?。

ドリトルでは多数のHTMLタグを使用できる。一部は次の通りである: input, textarea, p, h1, div, span, button, a, ul, ol, li, table, tr, td, img, form, iframe, canvas など。

HTMLオブジェクトの内容を変更するには「テキスト」メソッドを使う。次のプログラムを実行すると、段落に「こんにちは」という内容が設定される。

 段落=<p></p>。
 段落!"こんにちは" テキスト。

HTMLオブジェクトの中に別のHTMLオブジェクトを入れるには「入れる」メソッドを使う。これにより、複雑な階層構造を持つHTMLを構築できる。

 リスト=<ul></ul>。
 項目1=<li>りんご</li>。
 項目2=<li>みかん</li>。
 リスト!(項目1)入れる。
 リスト!(項目2)入れる。

タグの中身をすべて削除するには「クリア」メソッドを使う。これはinnerHTMLごと削除するため、子ノードもテキストも消える。

 コンテナ=<div><p>テキスト</p></div>。
 コンテナ!クリア。

イベント処理には「動作」プロパティを定義する。要素の種類によって異なるイベントが発生する。

  • inputタグ(type=“text”など):エンターキーが押されたとき
  • 特定のinputタグ(checkboxなど):値が変更されたとき(onchange)
  • それ以外のタグ:クリックされたとき
 ボタン=<button>送信</button>。
 ボタン:動作=「
  ラベル!"ボタンがクリックされました" 作る。
 」。
 
 テキスト入力=<input type="text">。
 テキスト入力:動作=「
  ラベル!(テキスト入力:value)テキスト。
 」。

HTMLオブジェクトは条件分岐と組み合わせて使うことで、状態に応じて異なる表示を行うことができる。

 「条件」! なら 「
  ボタン=<button>実行</button>。
 」そうでなければ「
  <span>実行できません</span>。
 」実行。

HTMLのID属性を使って要素を取得するには「#」を使用する。これにより、ページ内の特定の要素に簡単にアクセスできる。

 <div id="output"></div>。
 出力=#output。
 出力:テキスト="ID指定で取得した要素に内容を設定"。

フォーム要素には様々な種類があり、テキスト入力、選択肢、チェックボックスなどを使ってユーザーからの入力を受け付けることができる。

 テキスト入力=<input type="text">。
 選択肢=<select>
  <option value="1">選択肢1</option>
  <option value="2">選択肢2</option>
 </select>。
 チェックボックス=<input type="checkbox">。

外部コンテンツを表示するには「iframe」を使うことができる。これにより、他のWebページをドリトルの画面内に埋め込むことができる。

 フレーム=<iframe></iframe>。
 フレーム:src="https://example.com/"。

ハイパーリンクを作成するには「a」タグを使う。これにより、他のページへの移動を実現できる。

 リンク=<a href="https://example.com/">リンクテキスト</a>。

HTMLオブジェクトを使うことで、Web開発の基本的な考え方や技術を学ぶことができる。HTMLとCSSの基本を理解し、ドリトルのプログラミング機能と組み合わせることで、ボタンのクリックやフォームの送信などのイベント処理、データの表示や入力フォームの作成など、多様なWebアプリケーションの機能を実装できる。また、サーバとの通信(WebAPI)を組み合わせることで、より実践的なアプリケーションを構築することができる。

HTMLオブジェクトはWebプログラミングの入門として最適であり、プログラミングの基本構造(変数、条件分岐、繰り返し)とHTML/CSSの基本を同時に学べる環境を提供している。

ch_html_js.txt · 最終更新: 2025/03/07 17:38 by klab