DNCL学習環境「どんくり」
- どんくりは大学入試センター試験のプログラミングの出題に使われているDNCLの学習環境です。
- アルゴリズムの記述に適しています。
- オンラインで利用できる他、ダウンロードしてローカルで利用できます。
- 大阪電気通信大学 兼宗研究室(本多佑希、長瀧寛之、兼宗進)で開発を進めています。
使い方
- オンライン版はインストールなしでブラウザで動作します。
- サンプルプログラムが用意されています。
- Google Chromeで動作を確認しています。
- インストール版は、ダウンロードしてファイルを展開してください。管理者権限は不要です。
- Windows用(約100MB)
- Windows用(32bit)(約100MB)
- Mac用(約100MB)
履歴
言語と命令の説明
- 以下は言語の説明と使用できる命令です。公式の仕様書に準拠しているほか、独自の「拡張機能」を用意しています。
- プログラムの中で、「数字、英字、記号、空白」は全角半角(日本語文字と英語文字)を区別せずに使えます。
- 日本語の長音「ー」とマイナス「−」は区別されます。
- 掛け算は「*」「*」「×」を使います。
- 割り算は「/」「/」を使います。(整数の割り算は「÷」、整数の余りは「%」「%」を使います)
- 大小の比較は「>」「>」、「>=」「≧」、「<」「<」、「< =」「≦」、「=」「=」、「!=」「≠」を使います。
- 論理演算は「かつ」「または」「でない」を使います。
- 代入は「←」を使います。
- プログラムの英語表示と編集が可能です。
- 「DNCL」と「英語表示」を切り替えることで、日本語のDNCL表記とC言語風の表記が変換されます。
- ※ インデントが自動調整されます。改行位置が変わったり、空白行が無くなったりする可能性があります。
- 掛け算は「*」を使います。
- 割り算は「/」を使います。(整数の割り算は「÷」、整数の余りは「%」を使います)
- 大小の比較は「>」、「>=」、「<」、「< =」、「==」、「!=」を使います。
- 論理演算は「&&」「||」「!」を使います。
- 代入は「=」を使います。
変数
変数名は英字(a-z,A-Z)で始まり、その後に英字、数字、「_」が続きます。 変数には「←」(英語表示では「=」)で初期値を代入してから使います。 配列の場合は後述の「〜のすべての値を〜にする(allinit)」で初期値を設定してから使うこともできます。 複数の代入文を「,」で区切って並べられます。
x ← 3 Arr ← {1, 2, 3} moji_moji ← "文字" x ← 3, y ← 4
// 英語表示 x = 3; Arr = {1, 2, 3}; moji_moji = "文字"; x = 3, y = 4;
増やす/減らす
変数の値を指定した数だけ増減します。 未定義の変数を対象に実行した場合には、0が代入されてから実行されます。
xを1増やす yを50減らす
// 英語表示 x += 1; y -= 50;
表示文
式や変数の値を表示します。 複数の値を「と」で区切って指定できます。 改行の有無を指定できます。
xを表示する 123+456と"aiueo"と改行を表示する "こんにちは"を改行なしで表示する
// 英語表示 println(x); println(123+456,"aiueo"); print("こんにちは");
数値
小数点付きの数値を使えます。 先頭にマイナス(-)符号を付けられます。
123 123.456 -123
四則演算
+, -, ×, - は小数点を考慮した計算を行います。÷, % は整数の計算を行います(商と余り)。英語表示の乗算は*を使います。
1+2 1-x*50%4
比較演算
>, <, ≧, ≦, =, ≠ を使えます。英語表示では >, <, >=, < =, ==, != を使います。
1>2 2≠1
論理演算
「かつ」「または」「でない」を使えます。英語表示では &&, ||, ! を使います。
1>2 または 2>1 1>0 かつ 5>3 でない
// 英語表示 1>2 || 2>1 !(1>0 && 5>3)
文字列
“ ”または「 」で囲って文字列を記述します。
"こんにちは" 「こんばんは」
両辺のどちらかが文字列の場合は、「+」は「数の足し算」ではなく「文字の連結」の意味になります。
3+"こんにちは" // 結果は"3こんにちは" 「こんばんは」+3 // 結果は"こんばんは3" 3+"4" // 結果は"34"
配列参照
配列の要素は、配列名の後に[ ]で囲み添え字を書きます。 要素は1から始まります。 多次元配列は、「,」で区切って要素を指定します。英語表示では[ ]を並べて指定します。
x ← Arr[1] y ← Arr[1,2]
// 英語表示 x = Arr[1]; y = Arr[1][2];
配列の初期値設定
配列の要素の初期値を設定します。
Arrのすべての値を0にする
// 英語表示 allinit(Arr, 0);
関数呼び出し
関数名の後に引数を()で指定します。英語表示では組込関数は英語名になります。
書く() 二倍(100) 乗算(100,200) 追加する(Arr,15)
// 英語表示 書く(); 二倍(100); 乗算(100,200); add(Arr,15);
繰り返し
for文に相当する反復は次のように記述します。
iを0から10まで1ずつ増やしながら、 iを表示する を繰り返す iを10から0まで1ずつ減らしながら、 iを表示する を繰り返す
// 英語表示 for( i=0 ; i<=10 ; i+=1 ){ print(i); } for( i=10 ; i>=0 ; i-=1 ){ print(i); }
while文に相当する反復は次のように記述します。
i←0 i<10の間、 iを表示する i←i+1 を繰り返す
// 英語表示 i=0; while(i<10){ print(i); i+=1; }
回数を指定した繰り返し文は、次のように記述します。
i ← 0 ここから5回、 iを表示する iを1増やす を繰り返す
// 英語表示 i=0; repeat(5){ print(i); i+=1; }
条件分岐
if文に相当する分岐は次のように記述します。
もし1≠1ならば 1を表示する を実行し、そうでなくもし2≠2ならば 2を表示する を実行し、そうでなければ 3を表示する を実行する
// 英語表示 if(1!=1){ print(1); }else if(2!=2){ print(2); }else{ print(3); }
実行したい文が1文の場合に限り、次のように書くこともできます。
もし1=1ならば"Hello"を表示する
// 英語表示 if(1==1) print("Hello");
以下は独自拡張の機能です。
配列の初期値
値は全体を { } で囲み、「,」で値を区切ります。
{1,2,3} {1,2,{3,4,5},6}
配列の要素を入れ替える
「入れ替える(swap)」は、配列の要素を入れ替えます。
Arr ← {"a","b","c"} 入れ替える(Arr,1,3) // 配列の値は{"c","b","a"}になる
配列の要素を削除する
「削除(remove)」関数は、番号を指定して配列の要素を削除します。
Arr ← {"a","b","c"} 削除(Arr,2) // 配列の値は{"a","c"}になる
配列に要素を挿入する
「挿入(insert)」関数は、番号を指定して要素を挿入します。
Arr←{"a","b","c"} 挿入(Arr,"d",2) // 配列の値は{"a","d","b","c"}になる
配列の要素数を取得する
「要素数(length)」関数は、配列の要素数を取得します。
Arr←{"a","b","c"} 要素数(Arr) // 結果は3が返される
変数の確認
「確認(dump)」関数は、プログラムの中で使われている変数の値を確認します。
Arr ← {1,2,3,4,5} x ← 「あいうえお」 確認() (出力例) 確認------------------- Arr => { 1, 2, 3, 4, 5 } x => あいうえお -----------------------
関数の定義
関数は次のように定義します。 ()の中に引数を記述できます。
あいさつ()は 「こんにちは」を表示する を実行する 書く(str)は strを表示する を実行する
// 英語表示 function hello(){ print("hello!"); } function write(str){ print(str); }
次の例は、関数に戻り値を設定します。
二倍(num)は num×2を返す を実行する 二倍(5)を表示する // 10が表示される
// 英語表示 function twice(num){ return num*2; } print(twice(5));
性能の確認
関数またはプログラムの性能を測定します。 以下の内容を測定しています。
- 実行時間
- 各for文/while文のループ回数
- 各if文の「条件判定を行った回数」「真が評価された回数」「偽が評価された回数」
- 各関数の呼出回数
次の例は、関数の性能を測定します。
倍数判定()は xを1から10まで1ずつ増やしながら、 xを改行なしで表示する もしx%3=0ならば 「<-3の倍数!」を表示する を実行し、そうでなければ 改行を表示する を実行する を繰り返す を実行する 倍数判定()の性能を確認する
// 英語表示 function is_multiple(){ for( x=1 ; x<=10 ; x+=1 ){ print(x); if(x%3==0){ println("<-3の倍数!"); }else{ println(\n); } } } profile(is_multiple());
(出力例) 1 2 3<-3の倍数! 4 5 6<-3の倍数! 7 8 9<-3の倍数! 10 統計情報------------------ (実行時間) 0.007秒 (実行回数) for1 : 10 if1 : 比較 10, 真 3, 偽 7 (呼び出し回数) 倍数判定 : 1 --------------------------
次の例は、プログラム全体の性能を確認します。
倍数判定()は xを1から10まで1ずつ増やしながら、 xを改行なしで表示する もしx%3=0ならば 「<-3の倍数!」を表示する を実行し、そうでなければ 改行を表示する を実行する を繰り返す を実行する 倍数判定() 倍数判定() 性能を確認する
// 英語表示 function is_multiple(){ for( x=1 ; x<=10 ; x+=1 ){ noNL_print(x); if(x%3==0){ print("<-3の倍数!"); }else{ print(\n); } } } is_multiple(); is_multiple(); performance();
(出力例) 1 2 3<-3の倍数! 4 5 6<-3の倍数! 7 8 9<-3の倍数! 10 1 2 3<-3の倍数! 4 5 6<-3の倍数! 7 8 9<-3の倍数! 10 統計情報------------------ (実行時間) 0.018秒 (実行回数) for1 : 20 if1 : 比較 20, 真 6, 偽 14 (呼び出し回数) 倍数判定 : 2 --------------------------